2023年02月04日

短歌『ヒヤシンス』

図書館の少女に光る夕日あり時を忘れて読むあなたなり
  
朧なる月を探して歩道橋街包むなり幻想世界

風光りこぼれる雫手で受けるあなたの瞳遠くを見れり

花魁の下駄の響く故郷に桜舞散り歳は重なる

梅里の川に映えりし残雪に風と共に君想うなり

新しい命の息吹春の夜炎のごとく花のごとく

春に沿い背筋伸ばしてヒヤシンス真似る我にも風は爽やか

#短歌


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2023年01月18日

歌集『青き時間』15首

夜深く高速道路に月沈みひとり深夜バスの座席に眠り

唯一の青き時間の光の中で言葉を探しあなたに贈る

冬夕日流れる川の音に似て静かなれども街を覆う
 
冬が閉じ春滑り込む三月は命の息吹人のみならず

連日の北風が吹き止まらない東京砂漠拡大つづく



如月の隙間もありしカレンダー めくる夕べに歌ひとつあり

天上の風雪の音細からず激しさゆえ僕を育てる

時間には追い立てられても伸び盛りこの心と体のあらん限り

生きているという奇跡を忘れていてそれを知る不幸知らない幸福

夕暮れが西に急ぐ頃気にもせず仕事に没頭し朝日も忘れる



首都高のカーブに合わせ肩を抱けばハンドル持つ君覚めた顔する

白鷺の降りる草原鞄置き君を忘れて旅愁にひたる

一秒に遅れずに生き立派だと言われたとして理由見つからず

潮の中暮らしを紡ぎ海の男潮の香に生かされてきた

愛告げる煩わしさに告げぬ夜煩わしさに離れる心


#短歌
posted by ホーライ at 16:01| Comment(0) | 短歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月16日

●短歌【自作短歌】ホーライ自作 19:25 2022/07/16

ビル谷間夕陽はありて思い出に今日も馳せるは海岸通り

朝焼けの地平に近き飛行雲見つついる時消える街灯

海よりの風吹き通すグランドに立ちて青年凝視する街

カナリヤが稗の殻割る音止みて瀑布に近く夕暮れんとす

夏終わり心離れる時が来て思い出までも沈黙の中


ホーライ
ラベル:短歌
posted by ホーライ at 19:33| Comment(0) | 短歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする